2014年7月27日日曜日

夕顔にまつわるエトセトラ

應典院さんで上映した際、来場者の方から教えていただいたお話。

「関西ではお盆の際、仏壇に干瓢(かんぴょう)を吊るす」

という風習。
干瓢は夕顔の皮を干したもので、「かんぴょう巻」として馴染みがあるかと思います。
映画の中でも夕顔は初盆の際に仏さんへのお供え物として登場します。
いずれにしても仏さんへのお供えにあげられる夕顔には民俗学的にどんな意味があるのか調べてみました。

wikipedhiaによれば、
「民俗的にはハレの日に食し、陽気や作物の豊凶を予兆する年占作物としても認識され、作物禁忌も存在した。」とあります。

作物禁忌とは何か?

山梨県富士吉田市の「富士吉田市史 民俗編」で夕顔の作物禁忌について触れられていました。
以下、引用。


 味噌汁や香の物、あるいはかんぴょうに加工するなど、夕顔は皆さんの食卓にお馴染みの作物です。しかし夕顔は、この地域では様々な言い伝えに登場することも多い作物でもあります。 中でも新屋の堀内氏は夕顔を作ったら先祖が死んだことから、それ以来夕顔を作ってはならないとされてきました。こんな話も伝えられています。  子どもが得体の知れない高熱を出して医者も手の施しようがなくなった。その時、お寺の坊さんが「お前の家に作っちゃならないものがある、調べてみろ」といった。帰って調べてみると大きな夕顔が自生していた。急いで抜いたところ病気はすぐに治った。この家では昔から、夕顔を作ってはならないと聞いていた。  また、夕顔ではないが、松山の佐藤氏はキュウリを作ってはならないとされています。これはキュウリを作ったときに祖先が怪我をした事が由来のようです。  夕顔にまつわる伝説には「死」に関係するものが多いことに気が付きます。例を挙げてみると、・不幸があった年はその家でとれた夕顔が苦くなる(下吉田)。・作り付けない家が作ると若い者が死ぬ(下暮地)。・夕顔の肥料は死体が一番効く(小明見)・夕顔が盗まれたら、残った切り口に畑の泥を塗れば犯人は死ぬ(小明見)
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作ることを禁じられた忌まわしい物、とされる夕顔。
なぜそうなったのか?

食用ではない夕顔などのヒョウタン系の作物には、ククルビタシンという毒性の成分が含まれているそうです。摂取後数時間後、吐き気、おう吐、腹痛、下痢などに襲われるということです。

昔の人が自生している夕顔を食べてお腹を壊したことから、こういう言い伝えになったと想像できます。

しかし、お盆の際にお供えするようになったのはなぜでしょう・・・?

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